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PROJECT STORY.02
NTTデータグループの
ハードウェア・ソフトウェアの
購買活動を支援し
調達価格の適正化・受注拡大に
貢献していく
PROJECT OUTLINE
大規模SlerであるNTTデータグループは、ハードウェア・ソフトウェア提供も含んだシステム開発、サービス提供を行っており、その年間購買額は数千億円、件数にして約100万件にのぼる。この膨大な購買データを分析し、適正価格の把握、競合価格を予測し、調達課題の解決策を提案することでグループ各社のコスト削減や受注拡大に貢献していくことが本プロジェクトの狙いだ。具体的には、約100万件の購買データをBIツール(※)で分析。さらにデータをわかりやすくダッシュボード化(見える化)した上で、各社の経営層(主に社長)に対し、ハードウェア・ソフトウェアに関する調達課題を提示、改善に向けた提案を行う。
その後、グループ各社の社内向け調達にはまとめて購入する集中購買を提案し実行。また、グループ各社の個別プロジェクトに対しては、それぞれに最適な調達方法を提案することで現場の調達活動を支援しコスト削減に貢献。これまで延べ700件以上の個別プロジェクトで、トータル50億円以上のコスト削減を実現した。さらに、グループ各社が自社でセルフチェックできるダッシュボード閲覧機能を提供し、各社担当者の知識底上げとして、調達に関する勉強会、セミナー等も開催している。
(※)「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるためのITツール
PROFILE
松岡 優
購買事業部
契約担当 課長代理
2011年入社
プロジェクトリーダー。本プロジェクトを通して目線の高さが上がったという。「プレゼン先は経営層であることが多いため、経営層が何を考えているか想像できるようになってきました。」
久保 貴則
購買事業部
契約担当 主任
2011年入社
新卒入社後、2015年からプロジェクトに参画。本プロジェクトを通してデータ分析能力、プレゼン力、交渉力、IT製品知識が向上。今後の目標は、さらに多くのグループ会社経営層への提案活動だという。
CHAPTER - 01
膨大な購買データを整理、
体系化し、“見える化”する
松岡
NTTデータグループの数千億円にのぼるハードウェア・ソフトウェアの調達における課題を改善したい。それが本プロジェクトのスタートでした。要は、蓄積しているNTTデータグループ各社の購買データを体系化し、分析を行い、適切な価格での調達実現につなげようということです。
久保
私は2015年からのプロジェクト参画ですが、松岡さんは2014年から携わっているんですよね。
松岡
まず製品データベースの整理をして、分析基盤となるツールを作り出すところから始まりました。
久保
そこには相当な苦労があったのでは?
松岡
そもそも、購買データの内容には、表記ゆれや記載漏れ等がありバラバラだったことがまず大変でした。データを目視で全部見て、全製品のメーカー、機種、型番、部品分類、価格まで整理しました。また、サプライヤー各社にご協力頂いて、体系化したデータが取れるよう見積書のフォーマットを決めるといったことも。そうしてデータを正規化し、体系化してきたのですが、これが気の遠くなるような仕事で一番辛かったです(苦笑)。
久保
私は、松岡さんがつくった分析ツールをグループ会社に展開する段階でプロジェクトに入り、グループ各社向け分析ツールのカスタマイズを担いました。当社として新しい取り組みであったため、かなり難易度の高い仕事になると予想していましたが、その通りで……。自ら勉強してスキルを身につけながら、必死に食らいついていきました。
松岡
BIツールを使って、データをわかりやすくチャート化するなど“見える化”を実現しましたね。今思うと無茶ぶりだったかもしれません。
久保
教えてくれる有識者が社内にはほぼいなかったため、社外研修やインターネット上の公開情報等で勉強しながら構築しました。
松岡
NTTデータグループ各社の経営層に、ハードウェア・ソフトウェアの調達に課題があることを理解して頂き、当社の提案内容を実行してもらうためには、データの“見える化”が一番重要でした。例えば、「市場や他グループ会社の価格等と比べて、どの製品の調達に課題があるか」一目瞭然でわかるチャートを示せば、自社の調達課題を実感として理解して頂けますので。
CHAPTER - 02
作業効率化から受注拡大へ。
攻めの提案を実現していく
久保
当社はNTTデータグループ全体の購買機能を担うポジション。グループ全体の購買データが見えるため、客観的に分析できて、それを元に適切な調達方法・価格を提案できます。これは当社が持つ強みですね。
松岡
その通り。 “見える化”が功を奏して、現在はグループ各社に対し調達に関する支援をしています。具体的には、社内向けにはまとめて購入する集中購買を提案・実行し、個別プロジェクトにおける調達活動については案件毎に支援しています。
久保
個別プロジェクトに対しては、グループ会社の営業部門が競合企業にコンペ等で勝つための支援をどう行うかがキモです。
松岡
競合企業の調達状況を予測して、適切な調達方法を提案するわけです。これは、蓄積データはもちろんのこと、製品知識や業界マッピングの理解、そして、私たちが日々協力を頂いているサプライヤー各社としっかりしたリレーションが構築できているからこそ成し得ることです。
久保
自分が分析したデータに基づきグループ会社の営業の方に提案し、実際にその方法が実行され、その結果、営業の方から「おかげさまで受注できました」と言って頂くと本当にうれしいです。
松岡
感謝されることがやりがいになりますし、皆さん「当社に支援してもらいたい」とリピーターになってくれますね。
久保
最初は少人数で始めたプロジェクトでしたが、グループ各社に広く認知された今、体制強化にも着手しているところです。
松岡
これまで私たちの仕事はグループ各社の購買業務の業務効率化がメインでした。その部分は根幹ですし重要ですが、本プロジェクトを通じて調達活動を適正化することで受注拡大に貢献していく“プロフィットセンター”へと進化できたことは大きな成果。今後は、海外グループ各社にも当社支援を広げ、NTTデータグループ全体へさらなる浸透を図っていきたいですね。
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